バイオハザードアウトブレイクのここすき
公開
2022-12-23 08:01
20年以上前に無印のバイオハザードが発売して以来、現在までナンバリングや番外やリメイク版、ゲーム外のメディアでも展開してすっかりカプコンの看板となった本タイトル。
自分も初代から全てのナンバリングをプレイしてきて、思えば遠くまで来たもんだと感じている。
長い歴史を誇るゲームだが、「弾薬や回復剤などのリソースを管理しつつ銃火器で敵生物兵器を撃退しながら探索しエリアをクリアしていく」という大まかな進行の仕方は共通している。

無印~3の視点はエリア毎に見下ろしに近い固定カメラが採用されていて、キャラクターが視界外に出ると別角度のカメラに切り替わっていた。
カメラが変わるとキャラクターが全く別の方向を向いているため操作がラジコン方式になっており、当時のアクションゲームとしては珍しい操作方法だったため慣れるのに時間がかかった。
どこかのインタビューで読んだがこの「画面外から怪物に襲われる可能性」と「慣れるまでが難しい操作方法」を恐怖演出として取り入れていたのだとか。
今でもあのL字廊下の窓を破って侵入してきたケルベロスの衝撃は忘れられない。
「ベレッタ」とか「コルトパイソン」とか銃の種類や名前を覚えはじめたのも多分バイオハザードの影響だと思う。

4以降ではエリア毎の固定カメラが廃止されキャラクターを中心にした、いわゆるTPSやFPSと呼ばれるものとなった。
アクションや演出も大きく進化し、体術による攻撃や、銃器による照準で敵に対して自由な箇所を撃てるようになったりした。
イベントムービー中でのアクションもハリウッド映画かと思うほどに激しくなり、中には本当に人間なのかを疑うようなシーンさえある。

そんな本シリーズでこれは名前を挙げておきたいというお気に入りのタイトルがある。
それが「バイオハザード アウトブレイク」(OB)である。
OBはPS2のタイトルで無印~3と同じ固定カメラ方式だが、いわゆる番外のタイトルで操作するキャラやシステムも本編と少し違う。
時系列と舞台は無印~3と同じラクーンシティで、街全体で発生した生物災害から各自脱出を目指す群像劇となっている。
ストーリーは章構成になっているが時系列順になっているわけではなく、同じタイミングで別の場所の出来事を描いている形式で、プレイする章と使用するキャラクターを選択する。
登場するステージは過去の作品で実際に登場したエリアだったり、キャラクターは本編の人物と縁がある人物だったりする。
本編では警察や特殊部隊などの戦いに精通した人物が操作キャラになりがちで、ウィルスにもたまたま抵抗を持ってたりしていた。
だがOBの操作キャラは全員が街に住む一般人で、ウィルスに対する抵抗もなくすでに感染している。
体力や移動速度や感染速度、武器の扱いやすさや固有で所持しているアイテムなどが全てバラバラに設定されている。
武器の扱いが上手く戦闘に向いているキャラや、アイテムを多く持てるが身体的なステータスが万遍なく低いキャラなどがいて、好みのキャラを使用して街からの脱出を目指す。
ボスクリーチャーを倒すことで章クリアとなるが、ゲーム開始からウィルス感染が始まっており、感染率が最大になってゾンビ化してしまう前にクリアを目指す必要がある。
と、本編とは違いリプレイ性の高いゲームとなっているのだが、一番面白い点がこのタイトルがオンラインプレイに対応していたというところ。
最大4人でプレイ可能でそれぞれ別のキャラを選択し、探索と戦闘を協力して進行することとなる。

このように本編の雰囲気や操作感を踏襲しつつも新たなプレイ感覚があり、バイオハザード初のオンラインタイトルでありながら現在でも復活を望む声もあがる作品となった。
ただ一つ残念な点を挙げるなら、当時はオンラインでゲームをする環境を揃えるのはハードルが高かったことだ。
PS2用の外付けのユニットを購入し、オンラインサービスのための月額課金、そして回線を有線でユニットに接続しなければPS2でオンラインプレイはできなかった。
当時PS2で遊んでいた層がそこまでの環境を用意できるかというとそれは容易ではなく(激ウマギャグ)、そもそもオンラインに対応しているタイトルが数えるほどしか無かったと思う。
自分もガンダムVSシリーズくらいしか他に対応していたタイトルは知らない。

そんなわけでマルチプレイ推奨のタイトルを一人で遊んでいたわけだが、それでも本作の魅力は十分に理解できたし、今でもこのタイトルをオンラインプレイしたいという気持ちがある。
頼むカプコン、何も追加要素入れなくてもいいからHDリマスター版を発売してくれ。マジで。
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